第1種完全楕円積分のランデン変換の導出を行います。式の変換が複雑なので、変換過程も残しておきました。
ランデン変換には、上昇ランデン変換と下降ランデン変換がありますので
、両方の変換式を示します。


上昇ランデン変換および下降ランデン変換の式を示します。
上昇ランデン変換は、母数を上昇させ収束させる場合に用います。下降ランデン変換は、母数をゼロ近づけて収束させる場合に用います。

     

上昇ランデン変換

                                       (1)

                                                (2)                                             
■下降ランデン変換

                                           (3)

                                             (4)

(2)式から(4)式の導出は、別のところに書いています。

ランデン変換の導出

                                         (5)

が成り立つとき

               (6)

この恒等式をランデン変換といいます。

ここから、ランデン変換を導出しますが、式の変換過程も残します。

まず、(5)式をθ、φの式として整理します。

                                              (7)

          

    

     
ゆえに

                                     (8)

三角関数の公式を使って(8)式からの式にします。

        (9)

        (10)

 ここで

 
                                      (11)

とおくと、(9)、(10)式は以下になります。

                                             (12)

                                          (13)

(12)式の両辺をφで微分します。

             

       

        

       

                              (14)

ゆえに

       

                                      (15)


(6)式の最初の項の分母をφの式にします。

        
                        

 

               

               

               

               

                               (16)  

第1種不完全楕円積分の式に、(15)、(16)式を代入して整理します。

                                    (17)

                      

          

          

                                  (18)

(17)式と、(18)式から

                                  (19)

ここで

                                                 (20)

とすると(19)式は以下のように整理できます。

                                    (21)


(5)式より

                                         (22)

(22)式から、φが0からπ/2のとき、θはからπの範囲で動きます。
(Excelで(22)式を作成して、θを0からπまで変化させてみて下さい。)
従って
1種完全楕円積分は(17)、(18)式で の場合となるので、

                        (23)

                                    (24)

(21)式に(23)、(24)式を代入すると、第1種完全楕円積分のランデン変換が導出されました。

                                        (25)

計算が長くなりましたが、いかがでしょうか。



(2)式を(4)式に変換します。

(2)式の両辺を2乗して
                                          
                                         (26)

式を変形してk1の2次方程式として計算します。

                               (27)

                         (28)

                                    (29)

 とすると(29)式は                                         

                                          (30)

                                        (31)

      または                            (32)

   だから

                                   (33)


(33)式は第1種完全楕円関数積分の数値計算に有用です。(ページの先頭に戻る

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